インバウンドゴルファーを受け入れるのはあなたのビジネスに適しているか?そして、あなたのビジネスはインバウンドゴルファーに対応できる準備ができているか?
- Maruko Tsubaki
- May 1
- 4 min read
Updated: May 1

MGTAの小島さんとの最近のインタビューで、「インバウンド施策を検討しているゴルフ場こそ、まずは海外でゴルフを体験してみるべき」と語っていました。海外のゴルファーの期待やニーズを理解するには、実際にその立場に立ってみるのが一番。そうして初めて、そのニーズに合ったサービス設計ができるのです。とはいえ、海外へゴルフ旅行に出かける前に、まず考えておきたいポイントがあります:
1. 現在の会員・常連客はインバウンド客を受け入れられる?
既存のお客様との共存は、非常に重要です。そのためには、しっかりとしたコミュニケーション戦略が必要です。
たとえば、ハワイのある有名ゴルフ場では、日本人観光客の増加に対して会員からの反発が起きました。そこでクラブは、早い段階から会員と対話し、共に対応策を検討しました。その結果:
観光客のプレー枠を「平日午前中」に限定し、週末やトワイライトは会員専用に
観光客向けのプレー料金を高く設定し、会員の年会費やプレー料金を値下げ
日本語対応スタッフを雇用し、予約が簡単なバイリンガルのウェブサイトを整備
今ではそのコースも会員も、日本からのゲストを歓迎し、将来の成長に不可欠な存在と捉えています。
2. どのタイプのインバウンドゴルファーをターゲットにする?
自コースの立地や設備によって、ターゲットにすべき層が異なります。カップル、家族、シニア層、若手ゴルファー、ビジネス旅行者、大人数のグループ…どの層に魅力を感じてほしいですか?
さらに、ゴルフをしない同伴者が楽しめる文化的観光地や自然景観があるかもポイント。まずは自分たちの強みを整理し、似たようなゴルフ場がどんな施策を行っているか市場調査をしてみましょう。
3. どの国・地域からのゴルファーを狙う?
近隣のアジア諸国はリピーターの可能性が高く、文化的な共通点も多いですが、言語の壁は注意が必要です。
一方、欧米などの遠方からの旅行者は旅行支出額が平均46%高く、英語が通じやすい点も魅力です。
4. 文化的配慮をどうする?
日本ではゴルフ場でのタトゥーは禁止されていることが多いですが、海外では文化や自己表現の一環とされています。
クラブハウス内では「カバーすればOK」といった柔軟なポリシーを設けるのはいかがでしょう?袖やパッチなどを用意して、ゲストが気持ちよく利用できる環境づくりをしましょう。

5. インバウンド向け施設を検討する
インバウンドゴルファーには「プレー&宿泊パッケージ」が非常に人気です。多くの国では、ゴルフ+宿泊+食事がセットになった固定料金プランが主流です。
宿泊施設がない場合は、近隣のホテルや旅館と提携を
敷地内に簡易宿泊(グランピング、ヴィラなど)を検討するのもアリ
このようなパッケージは、売上の大幅な増加にもつながり、ゴルフリゾートとしての魅力が一段と高まります。
6. コミュニケーション体制は整っていますか?
外国語に対応できるスタッフや翻訳ツールはありますか?
「Golf in Japan」のようなプロモーション支援サービスを活用していますか?
英語の案内板やメニュー(写真付きでも可)は用意されていますか?
おすすめ:レストランやカートナビなど、最近では多言語対応のシステムが多数登場しています。上手に活用しましょう!
7. オリジナルグッズの販売も忘れずに
海外のゴルフ場では、帽子、Tシャツ、タオル、ボールなどのブランドグッズが定番です。
こうした思い出アイテムやお土産は、インバウンド客に非常に人気が高く、利益率も高いので、ブランドPRにもなります。
8. PR・マーケティングコンテンツの整理を!
なぜあなたのコースに来るべきか?アピールすべき点を洗い出しましょう:
トーナメント実績
有名コース設計者の名前
代表的ホールの魅力
アクセスの良さ
高品質な写真・動画・SNSアカウント
近隣の観光地や文化的スポットとの連携
トーナメントコースは「トロフィーハンター」に人気。宿泊可能なコースは、体力を考慮するシニア層に響きます。それぞれの強みを活かし、ターゲット層に響くプロモーションを行いましょう。
インバウンドゴルファーの受け入れには、多くの可能性があります。しかし、その成功は「準備」「対話」「戦略」にかかっています。
正しい問いを自分に投げかけ、適切なパートナーと共に、世界中のゴルファーを温かく迎える準備をしていきましょう。
コメント